雫石町歴史民俗資料館の漏水調査と修理を施工しました。
雫石町教育委員会様からご依頼を頂いたこちらの現場は、図面に記載がある埋設給水管が140mと記載漏れの有る40m弱の総延長180mにおよぶ規模でした。
同業他社さんで調査していただいたようですが発見に至らず上下水道課に相談したところ弊社をお勧めい頂いての施工となりました。
まず初見で全ての給水栓にて弁栓音調工法で調査しましたが全く漏水音を拾うことが出来なかったため、トレーサーガス工法と路面音調工法を併用して調査することにしました。
休館日にお邪魔して朝イチから断水を開始しトレーサーガスのボンベを接続します。
トレーサーガスは水道メーターを外して注入します。
あらかじめ埋設給水管が有ると思われる箇所をガス検知器にてトレースしていきます。
調査区間が180m弱と広大なためトレーサーガス工法と並行して路面音調工法も同時に施工しました。
弊社所有の路面音調調査器は舗装路だけでなく未舗装の地盤の音調調査が可能です。
この路面音調工法は広範囲な現場の大まかな操作の他に、他工法で漏水箇所を特定した時の再確認としても使用が可能で漏水箇所のピンポイントでの特定率を高めるのに役立ちます。
午前中に掛けて全ての箇所を調査しましたが漏洩したガスの反応が薄かったので、午後に再度全管路を調査した結果若干反応が有り絞り込んだ結果、怪しい箇所を発見しました。
ほぼ真下で漏水している確証が得られた頃には暗くなり始める時間帯になったので後日伺って掘削してみるとトレーサーガス工法で特定した位置から20cmほどズレた箇所での塩ビ継手部に発生した亀裂からの漏水でした。
どうやら以前に電気ケーブルを埋設する際にこの漏水箇所を重機で引っ掛けて慌てて修理をした形跡が見られましたので配管の不陸により塩ビ継手部に長年無理な応力が掛かっていたため亀裂が生じたものと思われます。
修理する際にあたって、ただ繋ぎ直すのではなく不陸によって生じる配管や継手への応力解消のため分岐をオフセット接続とし、差し込み式かつ可動式のワンタッチ型PP継手を使用し不陸の解消をし漏水の再発防止も図りつつ修理を施工しました。